玄米は完全に精米されておらず、だからこそぬかに含まれる豊富な食物繊維や栄養素が得られることは、ご存知のことと思います。
しかし、農薬が残っていないか不安になったことはありませんか?
豊富な栄養素を得るには、やはり安全に続けていきたいものです。
そこで今回は残留農薬について、さらには農薬の落とし方や、有農薬のメリットやデメリットについて調べてみました!
安心安全に玄米食を続けられるよう、知識を頭に入れておきましょう。
玄米には残留農薬がついてる?
残念ながら、玄米には残留農薬がついているものがほとんどです。
もともとお米とは精米し、白米として売られることが目的なため、玄米として売られることはあまり想定されていません。
また、日本は狭い国ですから、隣の田んぼまで数メートルしかないと、米農家さんが農薬を使わずに育てても、遠くない隣から農薬は飛んできて付着してしまいます。
安心安全に食べるには、玄米は消費者が残留農薬を落とすための一手間加えることが必要になります。
・その見分け方とは?
無農薬や有機栽培は農家だけの判断だけではなく、第三者からの判断あり、その証明がついることが明確な見分け方になります。
その証明が「有機JAS認定」マークです。http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
農薬や化学肥料に頼らず、自然界の力で生産された食品を表しており、農産物や加工食品、飼料及び畜産物につけられます。
「有機JAS認定」マークがない農産物には、「有機」や「オーガニック」などの名称の表示や、これを紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。
米農家さんいわく、農薬を使いながらも無農薬として売っている悪徳業者は、残念ながら実在するとのことです。産地直送だから安全、というわけではないのは悲しいですし、怖いですよね。
産地直送にこだわらず、「有機JAS認定」マークを目安にした方が良さそうです。
農薬の簡単で確実な落とし方!
有機JAS認定マークを目印にしても、やはり残留農薬を落とす一手間は必要です。
その一手間とは、玄米食では当然としてある「浸水」です。
実は玄米を水に浸すのは、玄米に水分を吸わせることと、残留農薬を水に溶け出させ、減らすことができるのです。
調理器具が進化した現代では、お米とは浸水をしなくとも炊ける方法はありますが、昔ながらの方法である浸水は、こうした残留農薬を減らすという知恵が知らず知らずのうちに含まれていたのかもしれません。
農薬の落とし方は、普通に玄米を炊くのとそんなに変わりません。
ポイントは6つ!
- 使う水はミネラルウォーターがおすすめ
- 35~40度程度のぬるま湯を用意する
- その間に玄米を研ぐ
- 炊飯器や鍋など蓋があるもので4~6時間浸水
- 浸水で使った水は一度玄米をザルにあげ捨てる
- 改めて炊くための水を計量し炊く
使う水は基本的にミネラルウォーターやウォーターサーバーの水など、きれいな水を使うことがおすすめです。水道水などには微量ながら味に変化があるので、農薬を落とすため、そして美味しく炊くにはきれいな水がいいでしょう。
やかんなどで水を沸かし、その間に玄米を研ぎます。玄米には意外と汚れがついており、まずは埃やゴミなどをしっかり落とし、それから手で玄米を擦り合わせるようにして少し玄米の表面に傷をつけましょう。そうすることで水分が含まれやすくなります。
いざ浸水の時間ですが、雑菌の繁殖をできるだけ抑えるため、蓋があるもので浸水を行いましょう。外気に触れていると、やはり雑菌は繁殖しやすくなってしまいます。炊飯器や鍋の半分ほどの量のぬるま湯を入れ、玄米を浸水させます。この時に、水分の方に農薬は玄米から溶け出していきます。
農薬を落とす方法なので、浸水に使った水は捨てましょう。念のためさっと玄米を水で洗い、炊きます。
熱を入れることも実は残留農薬を減らす方法なので、農薬を減らし、美味しく炊けて一石二鳥です。
ただし、残留農薬を100%落とすことは難しく、厚生労働省や農林水産省で行っている政策では「人の健康に害を及ぼすことがないよう」が基準になっています。http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/zanryu/
こうした政策が行われているなら、あまり神経質にならなくとも良さそうです。
有農薬のメリットとデメリット
「有農薬は体に悪い」というイメージがある方が多いかもしれませんが、それは間違いです。農作物は人の口に入り、体の栄養素となるのは、農家さんも重々承知していますので、使う農薬にも人体に害がないよう制限がかかっています。
残留農薬に関しても、正直そこまで気にすることではない、としか言えません。
有農薬のメリット
- 異物(虫等)の混入がなくなる
- 人畜・環境に被害がないよう規制がある
- 浸水の一手間を惜しまなければ安全
農薬とは「生物を殺す」目的でつくられています。農作物に害をなす菌や虫を殺すためにつくられるのが、農薬です。また玄米はぬか部分が残っているため茶色く、異物が混入しても見分けづらいので、有農薬は菌や虫などを育てている時点で予防しているので、混入することもなくなります。
しかし、農薬が劇薬であるのも確かです。だからこそその毒性が人畜・環境に被害を与えないよう、農薬取締法や食品衛生法の規制があるのです。
それでも残留農薬が心配な場合は、浸水をしっかり行うことで、残留農薬は減らすことができます。
有農薬のデメリット
有農薬のデメリットとしては、やはり残留農薬の問題です。
浸水をしっかり、と言っても9時間を超える浸水は水中に雑菌が繁殖しやすくなりますので、注意が必要です。
玄米は季節によって浸水時間は変わりますので、浸水してから放置するのではなく、時折水を変えたりすることで雑菌の繁殖を防ぐことができます。
まとめ
いかがでしたか?
玄米を柔らかく炊くために浸水がありますが、残留農薬を減らす役目もあるのです。
ただし、神経質になる必要はありません。残留農薬は全ての農作物にあり、人体に決定的な害があるなら日本は長寿の国とはなっていなかったでしょう。残留農薬は気にしだしたら、正直キリがないのです。
それでも、残留農薬を気にしてしまう方や、少しでも残留農薬を減らして口にしたいという方は、玄米はしっかり浸水させることで減らすことができます。
あまり神経質にならず、美味しい玄米食を楽しみましょう。