糖尿病予備軍や境界型の方は、日々の血糖コントロールに苦労している方が多いと思います。
特に食後高血糖は悩みの種で、“The糖質”である主食のごはんやパンを抜こうかどうか、頭の痛い所ですよね。
もち麦はここ1、2年でダイエット特集などでもよく取り上げられ、その健康効果の高さに注目が集まっています。
血糖値対策にも効果があるのでは?と思って調べたら、ビンゴ!
毎日のごはんをもち麦ごはんに変えるだけで、血糖値を下げる、驚くべき効果があることが分かりました。
もち麦は血糖値を下げる?
もち麦とは、モチ性の大麦で、火を加えて調理をするとでんぷんが絡み合い粘り気が出るので、白米の代用として食べることができます。
最大の特徴は、100g中に水溶性食物繊維を9g、不溶性食物繊維を3.9gと両方豊富にバランスよく含んでいること。
同じ100gでは、精白米が不溶性を0.5g、玄米は水溶性が0.7gと不溶性が2.3gですから、もち麦がいかに食物繊維を多く含んでいるか、お分かりいただけると思います。
最近テレビのダイエット特集などでも、注目され、スーパーのお米コーナーでもよく見かけるようになりましたので、比較的手に入りやすいです。
もち麦は血糖値を下げる?
もち麦に多く含まれる大麦βグルカンという水溶性の食物繊維には、糖質の吸収を抑えるというとてもうれしい働きがあります。
胃の中でゼリー状になったβグルカンは、食べ物を包み込んだまま消化器官を移動し、ゆっくり排泄されます。
糖質の吸収がゆるやかになることで、血糖値の上昇が抑えられるという仕組みです。
その健康効果は各国で評価されており、欧州連合では30gの糖質に対して4gのβグルカンが、食後血糖値の上昇を抑制するという健康強調表示を許可しているほどです。
(参考元:大塚製薬大麦生活https://www.otsuka.co.jp/oms/library/glucan.html)
もち麦の驚きの効果!
大麦βグルカンを含んだ食事によって、食後の糖質の吸収が53%抑制されたという報告が上がっています。
また、朝食にβグルカンを含んだ食事をとると、普通食の昼食の食事後においても、糖質の吸収が44%抑制されたという驚くべき報告がされました。
これはセカンドミール効果といい、1日のうち、最初に食べた食事(朝食)が次の食事(セカンドミール/昼食)の血糖値に影響を及ぼす持続作用があるということです。
つまりは、朝食にもち麦を食べれば、昼食に白米や、パンなどを食べても血糖値上昇が抑制されることになります。
(参考元:大塚製薬大麦生活https://www.otsuka.co.jp/oms/library/howtoeat.html)
これには、私、本当に驚きました。
大体、糖尿病予備軍や境界型の人間は、食べるの大好き!炭水化物中毒の人が多く、私もその一人でした。
糖質制限も試しましたが、お寿司やラーメンなどの炭水化物を制限することが辛くて、4年続けましたが、限界でした。
でも、朝食にもち麦を食べることで、昼食は大好きなベーカリーのパンを食べても、血糖値の上昇が抑えられるなんて夢のようですよね。
早速、もち麦買いに行ってきましたよ♪
ダイエット効果によるおまけ
テレビでの特集にもたびたび登場するように、もち麦は食物繊維が豊富であることと白米に比べカロリーが低いことで、ダイエット効果も大いに期待できます。
糖尿病予備軍や境界型の方は、肥満によってインスリン抵抗性が生じて、血糖値が高くなっていることも多いことが分かっています。
(参考元:糖尿病ネットワークhttp://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/026610.php)
もち麦を主食にバランスの良い食事をすることで、ダイエットにつながり、インスリン抵抗性が改善され、血糖値を下げる効果がさらに期待できそうです。
もち麦を主食にした時の血糖値の変動
朝食後の血糖値が抑えられ、セカンドミール効果によって、さらに昼食の血糖値を抑えるよう作用します。
また、昼食でもち麦を食べた場合は夕食に、夕食に食べた時には翌朝の朝食にも少なからず影響するのではと考えられています。
もち麦のセカンドミール効果によって1日トータルの累積血糖値が30%程度抑えられたという結果も出ています。
(参考元:大塚製薬大麦生活https://www.otsuka.co.jp/oms/library/howtoeat.html)
つまりは、1日の変動で見れば、朝食と昼食の食後血糖値、累積血糖値が抑えられ、長期的には、空腹時血糖値やHbA1Cが抑えられる効果が期待できるということになります。
※最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことを、「セカンドミール効果」と定義
どれだけ食べればいいの?
血糖値上昇抑制にどれだけ必要か、実は明確な基準は示されていません。
欧州連合による強調表示が許可されている値は、糖質30gに対して大麦βグルカンが4gという基準になっています。
日本人とは食文化も異なることから、血糖値上昇抑制の実証データの試験内容をもとに、どれだけ食べればよいのか考えてみたいと思います。
血糖値上昇抑制の実証データの試験内容は、糖質50gに対して1食当たり3gの大麦βグルカンを取る食事内容でした。
お米1合(150g)を炊くと、品種によってばらつきはありますが、大体340g前後になります。
(参考元:米穀安定供給確保支援機構http://www.komenet.jp/faq/ip11.html)
もち麦も同じ換算で重さを計算したとして、お米1合に対し、もち麦100gで炊けば、おおよそ560gぐらいになります。
もち麦100gの中には水溶性食物繊維が9gですから、お茶碗1膳150gのもち麦ごはんを食べたとすると、約2.4gの大麦βグルカンを取ることになります。
3gは満たしませんが、かなり血糖値上昇抑制効果を期待できる量になっていると思います。
また、足りない分は、昼食や、夕食でももち麦ごはんを食べることで、大麦βグルカンの摂取量が増えるので補えそうですよね。
効果の検証は?
本当に効果が得られているのか、血糖自己測定をすると明らかです。
私はもち麦を主食にして間もないですが、境界型と診断され、以前から血糖自己測定を行っていたので、実際に血糖値を測り自分の目で効果を確認しています。
ただ、まだ食べる量、昼食の食べ方が定まっていないせいか、血糖値にはばらつきがあるので、工夫と研究が必要だと思っています。
もち麦を主食にした時に気を付けたい事
食べるタイミング
もちろん、毎食食べるのであれば、食べるタイミングは問題にはなりません。
ですが、1食だけというのであれば、セカンドミール効果を最大限発揮させるためにも朝食として食べるのがマストです。
早食いに注意
もち麦は低GI食品でもあるため、血糖値がゆるやかに上昇することで、満腹中枢への刺激が白米よりも遅くなります。
早食いをしていると「お腹がいっぱい」と思えずに、ついつい食べ過ぎてしまうことが考えられ、糖質を大量にとってしまう可能性も。
ゆっくり、咀嚼しながら食べることを心がけましょう。
お腹の調子を見ながら
私もそうでしたが、お腹がゆるくなった、ガスがたまってお腹が張るなどの意見が多くみられます。
食物繊維が多いということは、それだけ腸を刺激することになりますから、日頃から腸の弱い方は食べ方を工夫するなど注意が必要です。
もち麦100%のごはんにするのではなく白米と炊き合わせて食べると、腸への刺激も薄らぐせいか、あまりお腹の調子をくずさずにすみます。
私はもち麦の効果もしっかり得たいと思っているので、白米1合(150g)にもち麦100gの割合で炊いています。
過信は禁物
効果があることは実証されていても、必ずしも自分に当てはまるとは限りません。
また、もち麦を食べているからと過信して、昼食にがっつり炭水化物を食べればセカンドミールの効果も薄れてしまいます。
たまのご褒美で、好きなものを気兼ねなくランチでいただくぐらいが、効果も望め、長く続けるコツだと思います。
もち麦を美味しく食べるコツ!
白米と炊き合わせがベスト
もち麦自体は意外とくせがなく、香ばしく、プチプチ、もちもちとした食感もくせになりそうで、私は結構好きだなぁって思いました。
最初はもち麦100%で炊いたのですが、お腹がゴロゴロして、ガスがたまってお腹がはってしまいましたし、同じような声が多く聞かれます。
白米との炊き合わせで食べるのがおいしく、長く続けるコツだと思いました。
メーカーなどではお米1合にもち麦50gとうたっているので、それぐらいから始め、様子を見ながら増やすといいですね。
参考元:はくばくhttps://mugigohan.jp/howto/
私は、1合にもち麦100gで今食べていますが、私にはこの割合がちょうどいいみたいです。
もち麦の炊き方
もち麦はお米のようにとぐ必要はありませんが、もっちり、プリプリの食感を味わいたいのであれば、30分ぐらいは水に浸してから炊くことをおすすめします。
水加減は、白米を炊く時の水加減に、もち麦50gに対して水100mlを加えます。
私の場合であれば、白米1合にもち麦100gですので、白米1合の水加減に水を200ml加えて、普通に炊飯器で炊いています。
もち麦主食レシピ
白米との炊き合わせだけだと飽きちゃう、味や食感がいまいちという方は、パエリアやリゾットなどもおすすめです。
パエリアはフライパンではなく、炊飯器にシーフードなどの具材を入れて簡単に作ることもできるんですよ。
朝食ということで考えれば、前の日から野菜などと一緒に煮込んでスープとして食べるのも目先が変わっていいですね。
但し、その際は、ごはんやパンの量は減らすことを忘れずに。
この食べ合わせで血糖コントロール効果を高める!
腸内環境を整えるのが理想的
腸内フローラが血糖コントロールに大きく関わっているということが明らかになっており、町内環境の改善によりインスリンの抵抗性を抑えられる可能性も指摘されています。
参考元:糖尿病ネットワークhttp://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/022031.php
腸内環境の改善には乳酸菌や、ビフィズス菌、オリゴ糖で善玉菌を増やすことが不可欠です。
参考元:ヘルスケア大学http://www.skincare-univ.com/article/017795/
朝食のもち麦と腸内フローラの改善で、より高い効果が期待できますね。
最適な食べ合わせは?
- ぬか漬け
- お味噌汁
- 納豆
発酵食品として、乳酸菌を多く含みます。もち麦ごはんのおともとしても、ぴったりですね。
- 豆腐
- 煮豆(大豆)
善玉菌の餌となるオリゴ糖を多く含みます。
- ヨーグルト
ビフィズス菌を多く含み、デザートとしてもヘルシーで最適ですね。
まとめ
いかがでしたか。
もち麦の持つ血糖コントロールの効果には、ただただ、驚くばかりですね。
もち麦効果のおさらいとして
- 大麦βグルカンの作用で血糖値上昇を抑制する
- 朝食に食べると、セカンドミール効果で昼食も血糖値上昇が抑制される
- 食べすぎはセカンドミールの効果が薄れる
- 白米との炊き合わせで食べるのがベスト
- 腸内環境を改善する食品との食べ合わせで相乗効果
もち麦で、良好な血糖コントロールを目指しましょう!
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